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登り窯入門

登り窯はやきものの大事な製作工程「焼成」で使う窯の形式の1つです。
現在、陶芸ではガス窯、電気窯などが一般に用いられていますが、安土桃山時代頃から近代まで主流を占めていた伝統的な焼成方法を持つ窯が登り窯です。

登り窯は山の斜面を利用して階段状に複数の焼成室を並べた窯です。
燃料には主に松薪が使われます。
窯の中で薪の灰が作品に降りかかることで、自然に釉薬が施されたような美しいやきものができあがります。
火のあたり具合や灰のかぶり加減によって、1つひとつの作品にさまざまな表情を与え、作り手も予期しない模様や色に焼きあがります。
登り窯の構造

登り窯の構造はまず、いちばん下に薪をくべる燃焼室「胴木間(1の間、火袋など地域によって呼称はさまざま)」があります。
胴木間(1の間)に続き、品物を入れて焼成するいくつかの焼成室(2の間、3の間…)が階段状につながっています。登り窯のこのような構造は、熱が上へ上へと昇っていく性質をうまく利用したもので、最上部の室の先には煙道があり、そして煙突へと続いています。
各焼成室には薪を投入する小さな穴が設けられています。各室が煙突の役割を持ち連続的に焼成できるため、単室の窯と比べ熱効率がよく、作品の大量生産にも向いています。

また、各焼成室内部は手前に薪を焚く火床、奥手に作品を詰める砂床、と2つに分かれています。
天候、気温、湿度などにより焚き方は左右されますが、焼成温度は最高で1,300℃前後に達します。
登り窯が見られる窯元
- 丹波立杭焼(たんばたちくいやき/兵庫県篠山市今田町)
- この地では安土桃山時代、自然の地形を利用した登り窯が多く築かれ、江戸時代にはすり鉢などが大量に生産されました。
- 楢岡焼(ならおかやき/秋田県大仙市)
- 江戸時代後期に地元旧家の小松清治が開窯しました。現代の4代目まで登り窯を守り続け、県内では唯一の古窯となっています。
- 信楽焼(しがらきやき/滋賀県甲賀市信楽町)
- この地では江戸時代、登り窯によって茶壺をはじめ多種多様な生活雑器が作られ、幕末には陶器製灯明具の産地として栄えました。
- 唐津焼(からつやき/佐賀県唐津市)
- 唐津では大がかりな登り窯で壺、皿、かめ、とっくりなどの日用品が多く産出されました。特に茶器は名品が多く有名です。
- 益子焼(ましこやき/栃木県益子町)
- 江戸時代末期に始まり、登り窯で日用品が多く焼かれ江戸の台所でも多く使われました。
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