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陶芸の伝統~登り窯で焼くということ~
現代では陶磁器の焼成に用いる窯は電気窯やガス窯が主流ですが、江戸時代、登り窯は窯の主流として大きな役割を果たしていました。現在でも作品に独自の風合いを求め、登り窯で焼成を行う陶芸家もいます。その登り窯の歴史と特徴をご紹介します。
登り窯の伝来~陶芸の主流へ~

日本の陶芸史においてもっとも古い窯は穴窯です。
穴窯とは山の斜面に穴を掘り、土で作った天井をかぶせた単室の窯です。
一方、登り窯とは単室の穴窯を改良して作られた、複数の焼成室が連結した窯です。
日本で考案されたものではなく、16世紀末、豊臣秀吉の朝鮮出兵時に朝鮮から連れてこられた陶工たちが日本に伝えたといわれています。江戸時代には登り窯は日本全国に普及し、陶芸文化に大きく貢献していきます。
登り窯の特徴

登り窯はやきものの大事な製作工程「焼成」で使う窯の様式のひとつです。
窯の形状が特徴的で、薪をくべる燃焼室「胴木間(1の間、火袋など地域によって呼称はさまざま)」に続いて、山の斜面に沿って階段状にいくつかの焼成室が連結しています。
ラクダのこぶのような半円状の焼成室が斜面に沿って登るように連なる外観から“登り窯”と呼ばれるようになりました。
登り窯は熱効率に優れ、たくさんの作品を一度に焼くことができます。燃焼室から次の焼成室へと焚いた炎と熱が階段を登るように各室を上昇し、作品を焼きあげていくのです。燃料は主に松薪を使用し、一昼夜から、長いものでは一週間以上焼成を続ける窯もあります。
登り窯から生まれるやきもの

登り窯で焼成したやきものは、炎のあたり方や灰のかかり方によって仕上がりの質感・色みが違ってきます。
2つとして同じものは生まれません。
これこそが登り窯最大の特徴であり、その仕上がりは「景色」とも表現されます。薪で焼成を行うことで作品に有機的な輝きを与えます。
登り窯ならではの焼きあがり、登り窯でしか得られない効果が得られるのです。
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